大A38・院A22/外国語学部長
竹村 景子
2019年10月1日付で外国語学部長を拝命いたしました、竹村景子と申します。咲耶会のみなさまには、日頃より外国語学部に対する温かいご支援を賜り、心から感謝申し上げます。私はスワヒリ語の第1期生として1986年に入学し、大学院も第1期生として修了いたしました。9月末日までは教学担当副学部長として4年間務めてまいりましたが、まだまだ若輩者であり、外国語学部長の重責を担うことの大変さをこの数ヶ月で実感しております。
大阪外国語大学が大阪大学と統合したのが2007年10月ですから、すでに12年が経ちました。統合当初は学生たちも「総合大学の学生としてどのように学んでいくのか」というとまどいがあったように思いますが、現在は「阪大生」としてすっかり溶け込んでおり、他学部の授業を積極的に履修したり、全学的な催しで活躍したりするなど、大いにプレゼンスを示してくれています。
ただ、教員組織や非常勤予算確保などの難問を未だに抱えており、外大時代からの「語圏研究・教育」の質を担保するための様々な対応に追われる状況であることは、統合時から変わっておりません。国全体の教育予算が年々削られていく中で、「世界の言語を学び、その言語を基底とする社会や文化を学ぶ」という、このグローバル社会において非常に価値ある学びの場を縮小させないためにも、私たち教員が一丸となって外国語学部の教育の重要性を知らしめねばなりません。2019年4月に、大阪大学の言語教育を充実発展させるために発足した「マルチリンガル教育センター」には、外国語学部専任教員全員が兼担教員として出動しており、学内全体に英語だけでなく多言語によるグローバル化の意義を認識してもらうべく努力しております。大阪大学が国立総合大学として唯一無二のマルチリンガル教育機関であることをアピールし、外国語学部のプレゼンスをさらに高めていきたいと思っております。
さて、みなさまご存知の通り、現在の箕面間谷キャンパスは2021年4月に箕面新船場地区に移転することとなっております。新キャンパスは、北大阪急行(地下鉄御堂筋線連絡)千里中央駅から北に延伸した一駅目の箕面船場阪大前駅から徒歩5分に位置する、いわゆる「駅前キャンパス」となります。これは、国立大学のキャンパスとしては初めてのことです。立地の関係上、現キャンパスよりも保有面積が小さくなることから、グランドや体育館を併設することができませんが、世界に誇る「外国学図書館」を共に移設できますし、吹田キャンパスと豊中キャンパスを結ぶ中間点に位置することもあり、「地域に生き世界に伸びる」大阪大学にとって、その中核を担うグローバルキャンパスとなることを目指したいと思います。
また、2021年には大阪大学創立90周年、大阪外国語大学創立100周年を迎えます。現在、大学を挙げて記念事業の準備を鋭意進めております。すでに同窓生のみなさまには様々なチャンネルを用いてお知らせしておりますが、キャンパス移転に際し、現キャンパスにある「大阪外国語大学記念会館」に代わるものとして、新キャンパスの教育研究棟1階に「大阪外国語大学記念ホール」を設けます。さらに、『大阪外国語大学100年史(写真で見る外国語学部100年の歩み)』(仮称)の出版と、100周年記念国際シンポジウム(2021年11月挙行予定)を計画しております。2021年7月には、「夏まつり」と「語劇祭」、ならびに、箕面市の市民団体や地域協議会の祭典を新キャンパスで同時開催するという、いわゆる開学記念イベントも予定しております。同窓生のみなさまには、これらの事業に関する寄付金のお願いと学生時代のお写真のご提供のお願いをさせていただいているところでございますが、さらなるご支援・ご協力をいただけましたら非常にありがたく存じます。若い後輩たちの充実したキャンパスライフのためにも、是非ともよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、キャンパス移転前の行事についてのお知らせです。2020年11月1日(日)に「ありがとう&さようなら箕面間谷キャンパス(仮称)」という催しを予定しております。最近は11月下旬に開催されている語劇祭も同時開催(2日間必要なので、語劇祭は10月31日(土)と11月1日(日)とし、外大時代の「間谷祭」をイメージしたお祭りにしたいと考えております。同じ語科、クラブやサークルのみなさまでお誘い合わせの上、多数の方にお越しいただきたいと願っております。詳細は咲耶会HP等の様々なチャンネルを使ってお知らせいたします。
以上、簡単ですが、学部長就任のご挨拶とさせていただきます。今後ともみなさまの温かいご支援・ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。