院J18/外国語学部長
筒井 佐代

 この度、2024年4月より大阪大学外国語学部長に就任いたしました、筒井佐代と申します。まずは、咲耶会のみなさまには、日頃より外国語学部への温かいご支援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

私は、大阪外国語大学の大学院にて日本語学を専攻し、その後は日本語教育学の分野で研究と教育に携わってまいりました。1993年に大阪外国語大学に赴任して、早30年。外国語学部長は荷が重すぎる職責ではございますが、修了生として、また外国語学部の一員として、責任感を持って務めてまいりたいと考えております。

コロナ禍で一時的に停止していた海外留学プログラムもおおむね再開することができ、多くの学生が再び海外の大学に積極的に留学し、現地での学びを深めるとともに、国際的な視野を拡げています。一方で、現在の国際情勢の悪化や経済的な変動、特に円安の影響を受けて、留学を実現することが以前よりも難しくなっているのも事実です。大阪大学ではバーチャル留学というプログラムも実施されておりますが、やはり現地に行って生活し、さまざまな体験を通して言語や社会、文化を学ぶという経験は、何ものにも代えがたいと思います。学生たちの留学への意欲を後押しできるように、大学としても考えていかなければならないと思っております。

 箕面キャンパスの近況としましては、2024年の3月に北大阪急行の延伸により箕面船場阪大前駅が開業し、アクセスが格段に向上しました。学生や教職員、外からの訪問者にとってもキャンパスへの来訪が容易になり、さらなる交流の促進が期待されています。2024年7月には、「第2回 さまざまな視点で世界を見る ベトナム編〜ことばが繋ぐ日越交流〜」を開催し、220名ほどの参加がありました。また、10月には「第2回 大阪大学外国語学部・外国学専攻シンポジウム〜物語からことばへ ことばから役割へ〜」を、キャンパスの隣の箕面市文化芸能劇場大ホールで開催し、作家の小川洋子さんと本学の名誉教授である金水敏先生を講師にお迎えして、900名近くの方がご来場くださいました。これらのイベントを通して、地域に開かれたキャンパスとして、本学学生や市民の方々と世界を結び、言語とその背景にある文化や社会について、理解や興味を深めていただくことを目指しております。11月23、24日には、語劇祭が開催されます。ご都合がよろしければ、ぜひとも後輩たちの熱演ぶりをご観覧いただければと存じます。

 キャンパスが箕面船場の地に移ってきて4年目となりますが、駅の整備とともにマンションの建築も進んでおり、この地域の人口は大幅に増えることが見込まれています。今後、ますます地域との連携に力を入れ、近隣のステークホルダーの方々との協力により、開かれたキャンパスを作っていきたいと考えております。今後ともみなさまの温かいご支援、ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。