就任のご挨拶
大S28・院S13 大阪大学名誉教授 元大阪大学外国語学部長
会長 大 内 一
咲耶会の会員の皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。また、平素よりの皆様のご支援とご協力に対し深く感謝いたします。
令和4年11月12日に開催された総会におきまして、役員の若返りを図るという方針のもと、大水前会長の後を受けて会長職を務めさせて頂くことになりました大28期イスパニア語学科卒の大内一です。上八、粟生間谷、箕面船場の3キャンパスを学生あるいは現役教員として過ごした数少ない卒業生の一人です。1921年の大阪外国語学校の創立から昨年で100周年を迎えた大阪外国語大学・大阪大学外国語学部の同窓会組織、伝統ある咲耶会の代表という重責を担うことになり、学部長を務めたときとは異なる緊張感で身の引き締まる思いでおります。
今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大により延期されていた大阪大学創立90周年・大阪外国語大学創立100周年の記念式典と記念講演会が、一年遅れで5月1日に大阪府立国際会議場において挙行されました。そして、創立100周年に関連した外国語学部の諸々のイベントも無事に終了し、今は少し落ち着きを取り戻したところです。外国語学部が100年という大きな区切りを無事に迎えることができた慶びを会員の皆様と共に享受するとともに、外国語学部が今年から始まる次の100年において益々の発展を遂げることを祈念したいと思います。
また、コロナパンデミックのほかに、ロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮によるミサイル発射や中国による拡張外交政策といった日本に直接影響を及ぼす重大な問題、さらには世界規模の諸問題(環境、気候変動、貧困、紛争、人権問題など)が未解決のままの困難な世界情勢のなかで、会員の皆様が学部時代に培われた語学力や世界の諸地域の社会や文化に関する知見、咲耶会ネットワークを十分に活用して益々活躍されることを切に願っております。社会の表舞台での皆様のご活躍はもとより草の根的な地道な社会活動が外国語学部の伝統と評価をさらに押し上げるものと確信しております。
咲耶会はこれまで、粟生間谷キャンパスに同窓会会館を寄贈したり、学生の留学資金を提供したり、箕面船場キャンパスの大阪外国語大学記念ホールの設備費や大阪大学未来基金の咲耶教育研究事業に多額の寄付を行うなど、「外国語学部の発展」のための活動を展開して参りました。しかし、残念ながら、過去十数年間にわたる会員数の減少傾向とそれに伴う会費収入の減少により、現況は、寄付活動を続けるどころか「会員、教員および在校生との相互の連絡・交流および親睦を図る」という通常の活動にも支障が出るほどの財務危機に陥っております。
咲耶会は、会報『咲耶』をとおして、世代や専攻語の違いを超えて会員の皆様を繋ぐ重要なハブの機能を果たし続ける責務を負っています。そのためには、会員数を増やし、会費や賛助金あるいは寄付金による増収を実現することが不可欠です。役員および幹事は、それぞれの立場で新規会員の発掘や新入生に対する入会勧誘を行っておりますが、会員の皆様におかれましても、会員の発掘と年会費ならびに賛助金の納入にご理解とご協力をお願い申し上げます。