「フリーランスとして生きる その2」
前回のインタビューでは、学生時代のこと、転職のこと、そして現在関わっているさまざまな仕事の話をしてくれた持木さん。「その2」では、そんな持木さんが学生時代に身につけたことや、仕事観などについて聞きました。
- いろいろと仕事をされていますが、意外と綱渡りな働き方ですよね。
- あはは!そやね(笑)でも、なんとかなるんですよね。というか、思ってたら来る!って感じです。リコロンの仕事は1年半で終わりだったので、次どうなるかなって正直不安に思ってました。でもタイミング良く次のお仕事をいただけて。シェアキッチンの話も、もともと知り合いの知り合いのシェアキッチンで『五島BAR』やりたいな、なんて思っていたタイミングでしたね。たまたま「古いアパートを改装してコミュニティカフェみたいにしたい」って考えていたオーナーさんがいらっしゃって。シェアキッチンどうですかっていう企画書を作って提案したんです。そしたら運営側になっちゃいました(笑)
- なるほど…!就職してたころの4年4ヶ月の経験で、今も役に立ってることはありますか?
- いくらでもありますよ!人脈もそうですし、仕事をする相手がどういう事情を持っていてどう感じているのか、ということは自分が会社で働いて実践しないと想像できないものだと思います。私がいた会社は商社機能も強かったので、仕入れ先・得意先・デザイン会社とか、いろんな立場の会社とつきあうわけですよ。そこで社会の仕組みがなんとなくわかりました。それこそ職業訓練場だったかもしれない(笑)
- 4年4ヶ月の、ですね(笑)
- ちょっと時間かけすぎたかな、と思うけど、最終的に販売促進部で自分に合う仕事内容も見つけられたし。でも結局会社は組織だから、一人くらい人間がいなくなったってどうにかなるんですよ。ちょっとバタバタはするだろうけど。「私がいなきゃこの会社は無理なの!」とか考えてブラック企業にしがみつく必要はまったくないと思います。大人が集まって組織をつくっているのだから、そこは大人を信用すればいいんです。なんとかしはるから(笑)
- プロムのすゝめなど、学生時代の経験で、今も生きていることって何でしょうか。
- 『人と一緒に仕事をする』という感覚です。プロジェクトを進めるにあたっての人の動き方、みたいなこととか。あとよくある『達成感』じゃないけど、『何かを創りあげた』っていう経験は生きてくると思います。一度やり遂げると、あのときできたんだから大丈夫、ここをゴールに設定すればあとはできる!っていうのがわかるんですよね。何かをつくるときの工程表みたいなものが自分の中に組み込まれたのかな。
- 持木さんは仕事をするうえで気を付けていること、ありますか?
- うつ病にならないこと、、、病気にならないこと!あくまでも生活のために仕事してるのであって、死ぬために仕事してるわけじゃないんで…。心と体が一番です!!
- でも本当にいろんな仕事をされていますね。
- 『ナリワイをつくる』という本を読んだことがあって、そのなかで「5つくらい3万円の仕事を手に入れれば、月15万円だからなんとか暮らせる額になる。ひとつの仕事で15万円もらおうとせずに、いくつかやればリスクヘッジにもなるし、自分の心も保てるし、ひとつがダメになってもほかの仕事を見つけたりすればいい」って感じのことが書いてあったんです。そのときに、「あ、それいいな」と。
- たくさんやるとぐちゃぐちゃになったりしないんですか?
- うーんそんなに…。あ、でも企画の脳とデザインの脳ってちょっと違うから、朝起きて「今日は企画の脳だ…(゜_゜)」とか切り替えられない日はあります(笑)。百姓って言葉があるじゃないですか、百の仕事をやってたわけですよ昔の人は。ひとつの会社に所属するサラリーマンにならなくても、生き方ってあるんですよ。春は春の仕事、夏は夏の仕事をすればいい。季節労働、結構いいよ?(笑)だいたい夏も冬も同じことしてるのがおかしいんだ!
- (笑)。でもやっぱり手に職をって考えると「スペシャルな特技を作らねば」って思っちゃいがちですけど…
- 京都みたいなところだと、知り合い経済で回っていくんですよね。仕事の技術よりも仕事をくれる人との関係性の方が大事だったり。特に私みたいな仕事だと、人間関係がすごく大切。人との繋がりで仕事も回っていくから。
- フリーランスだとそういうときにフットワークが軽くていいですよね。
- そう、それに今日中にやらなきゃいけない仕事があっても、夜までに終わらせれば昼は自分の好きなことしてていいわけです。同じ時間に同じところに行かなくてもいいし。でも、会社員やと誰かがやってくれることも、フリーランスやと自分しかやる人がいない。でもだからこそ、仕事の遅い私でもおしりに火がつくんですよね…!
- 今後やってみたい仕事とかありますか?
- お話がきたら何でもやります!って感じです。いただいたお仕事を楽しむっていうスタンスです。あ、でもロゴをデザインするのは好きなので、そういうことはやっていきたい。この前もシェアキッチンに入る方のお店のロゴを作りました。
- 持木さんにとって『外国語学部生』とは?
- 常識がたくさんあることを知っている人たち。なんかよく聞くもんね、居酒屋には風俗とパチンコの話しかしないおじさんがいるとか、オフィスにはスイーツとファッションの話しかいないOLさんがいるとか(笑)。そういうこと以外にもちゃんと興味を持てるのが外語生。幅をもって、いろんな角度から世界を見ることができる人。そしてたくさんそういうことを知っていると、人にやさしくなれる。「私も大変だけど、あの人も大変なんだ」って。
- 最後に学生に向けてひとことお願いします。
- 今の学生って就職活動にすごい必死で、それが失敗したらこの世の終わり…みたいな感じになりがちやけど、絶対何とかなるから…!それをすごく伝えたいですね。自分が知ってる一辺倒な働き方以外にも目を向けてみようよ、と思います。なので私と話したい人がいたら、シェアキッチンにきてくれたらいろいろ話すよ〜!
「持木さんとお話したい!」と思った方は、出町柳のシェアキッチン「リバーサイドカフェ」へ行ってみてください。(2016年1月27日オープン予定)
シェアキッチンとは、週に1回、気軽に自分のお店を持つことができるキッチン&カフェスペースです。内容はカフェでもバーでも何でもあり。イラスト教室やワークショップを開いてもOKです。あなたらしいお店を実現してください。学生さんもオーナーになれますよ。
持木さんがいる時間帯(1月27日以降)
水-日曜日 11:00〜18:00@管理人室
土曜日 18:00〜23:00@五島BAR
※持木さん自身がシェアキッチンで開く予定のバー
シェアキッチン『リバーサイドカフェ』詳細はこちらから↓
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「なんせ田舎で育ったものですから、可愛いものがないんですよ。材料はかろうじてあったので、自分で作ろうと思って。この中学校2年生のときに作ったミニバッグとか未だに使ってますよ(笑)。生地があんまりなかったから1枚ずつパッチワークしてるんですよ~。裏地もちゃんと水玉模様の布がついてます」
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「お金が動くところって身近にたくさんあって、何も大きなところばかり見なくてもいいんだよ、と思います。私の場合、人類を幸せにしたい!とかじゃなくて、自分に関わる人が幸せになってくれたらいいなっていう感覚だから、あまり大きい仕事をしたいとは思わないかなあ」
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「これ(今日の服)もリメイクなんですよ!このファッサ~ていうのをつけて。刺繍の部分はもともとTシャツだったんですけど、Tシャツとしては可愛くなかったので、切り取ってニットに貼り付けました」
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「可愛い~~~!なんでそんな可愛いの~~!食べちゃいたい~けど、食べたら一緒に暮らせへんから食べない…」
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「鳥は第一に見た目が美しすぎる。デザインが素晴らしすぎる。なぜこんなに可愛いのか。あと、パートナー認定をしてくれる生き物なので、パートナーに選んでもらえればすごい懐いてくれるし常につきまとってくれる。キャッチーな言い方をすると『飛んで会いにきてくれる』んですよ…!」
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「手作り市での販売用に作っている鳥モチーフのブローチたちです。手芸は昔から好きで、小さいころはよくわからないものをたくさん作ってましたね(笑)」
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「イベントや手づくり市で雑貨を売るときは『おどりこおどるこ』というお店の名前で出展しています」
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「これ、17世紀のフランス人が測量した地図です。すごいおもしろくないですか?こういう雑貨もですけど、アンティーク家具とかを集めるのが好きなんで、部屋はお気に入りの家具でいっぱいです」