澤田和彦氏の著書がポーランド語に翻訳され「イースターン・レビュー賞」を受賞しました。

2019年刊行の出版物を対象とした第5回咲耶出版大賞受賞作『ブロニスワフ・ピウスツキ伝: 〈アイヌ王〉と呼ばれたポーランド人』澤田和彦氏(ロシア語・1975年卒、埼玉大学名誉教授)著がポーランド語に翻訳、出版されました。その翻訳本がワルシャワ大学東欧研究所主催の今年度の「イースターン・レビュー賞」を受賞しましたので紹介します。

「イースターン・レビュー賞」は前年度に出た東欧関係の本の中から選ばれるようです。延期されていたその授賞式が日本時間の7月3日(日)午前1時からワルシャワ大学で開催され、澤田氏はオンラインで参加しました。

澤田氏はオンラインで参加しました

この本の推薦の辞を述べたヤドヴィガ・ロドヴィチ=チェホフスカさんは、前日本駐在ポーランド大使で、日本の能の専門家です。現在は、ワルシャワ郊外にオープンしたユゼフ・ピウスツキ(ブロニスワフの弟)博物館のブロニスワフ部門の責任者をつとめておられます。授賞式の模様は以下のYouTubeでご覧いただけます。

7:42:48頃から授賞式が始まり、8:23:43頃から澤田氏のスピーチが始まります。澤田氏のスピーチは英語です。

澤田氏の賞状を持っている方は、ワルシャワ大学東欧研究所所長のヤン・マリツキ氏です。
書影は日本語版とポーランド語版です。

『ブロニスワフ・ピウスツキ伝: 〈アイヌ王〉と呼ばれたポーランド人』

 

単行本: 400ページ
出版社: 成文社 (2019/12/24)
ISBN-13:978-4865200409
発売日: 2019/12/24
価格 :4,400円(税込)

内容紹介:
ロシア領リトアニアのポーランド貴族の家に生まれたピウスツキは、ペテルブルグ大学へ進学するも、皇帝暗殺未遂事件に連座してサハリン島へ流刑。そこで彼はギリヤークとアイヌの調査に従事し、アイヌ女性との間に二児をもうける。その後訪れた日本での多彩な人々との交わりは、我々に明治日本の面影を生き生きと伝えてくれる。過酷な運命を生きた巨人の生涯を、近代史を彩る珠玉のような事柄とともに描く、本邦初の本格的評伝。

著者について:
1953年大阪府生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科卒業。早稲田大学大学院文学研究科ロシア文学専攻博士後期課程修了。博士(文学)。新潟大学人文学部助手、埼玉大学教養部講師、同助教授、教養学部教授を経て、現在、埼玉大学名誉教授。著書に『白系ロシア人と日本文化』(成文社)、『日露交流都市物語』(成文社)、編訳書に『埼玉大学教養学部 リベラル・アーツ叢書9 日本在留のロシア人 「極秘」文書』(埼玉大学教養学部・人文社会科学研究科)、共編著・共著に『異郷に生きる~来日ロシア人の足跡』シリーズ全6巻(成文社)など。