五十畑浩平著『スタージュ フランス版「インターンシップ」―社会への浸透とインパクトー』

 五十畑浩平(2006年フランス語卒・名城大学准教授)著『スタージュ フランス版「インターンシップ」―社会への浸透とインパクトー』が、2020年2月に日本経済評論社より出版されました。

 この本は、フランス版インターンシップである「スタージュ(stage)」について、18世紀以降続く制度の歴史や現状、また近年噴出した問題点を、社会経済の変遷とともに明らかにしたものです。

 日本でも、ここ10年でインターンシップの数は急増していますが、1dayインターンをはじめ、本来の目的とは大きく離れ形骸化した名ばかりインターンシップが目立ちます。

 ひるがえって、フランスに目を転じれば、このスタージュが、いまや若者の就活に欠かせない存在となっています。年間のべ160万人の学生が行っているスタージュは、就職手段として最も活用されているツールのひとつとなっており、エリート養成校のグランゼコールに限ってみれば、スタージュを通しての就職が最も多くなっています。研究期間も数か月から半年と長く、研修内容も充実しており、教育機関で学んだ理論や知識を、現場における就業体験を通して実践することができています。一方で、若者層の雇用情勢の悪化を背景に、スタージュが安価な労働力として濫用されるなどして社会問題になっている側面も否めません。

 以上のように、存在の大きさ、役割、そして社会へのインパクトなどの面で日本のインターンシップとはまったく違うフランスのスタージュ。この制度が、なぜそしてどのように社会に浸透していったのか。また、スタージュがフランス社会にどのようなインパクトを与えているのか。本書は、こうしたスタージュの多くの謎に迫ったものとなっています。

 外大時代、フランスの高等教育問題を研究していた著者は、大学院進学直前にみたニュースをきっかけとしてスタージュに興味をもち、これをテーマに博士論文を執筆しました。9年前の博士論文をもととして近年の動向も織り込み、この度、書籍として出版することとなりました。この出版を機に、「スタージュ」という言葉を日本社会に少しでも広められればとも思っています。

【目次】
序 章 なぜ今スタージュか

<第I部 フランスとスタージュ―スタージュとはなにか―>
第1章 フランスの高等教育と労働市場の特徴
第2章 スタージュの概要

<第II部 スタージュのフランス社会への浸透プロセス>
第3章 高等教育の歴史と労働市場の変遷
第4章 スタージュの歴史

<第III部 スタージュのフランシュ社会への浸透要因>
第5章 スタージュの特性と浸透要因
第6章 スタージュの浸透の社会的背景

<第IV部 フランス社会へのスタージュの影響>
第7章 スタージュのインパクト
第8章 若年者とスタージュ

終 章 スタージュとフランス社会

【著者略歴】
 1978年東京生まれ。大阪外国語大学外国語学部(フランス語専攻)卒業。中央大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。名城大学経営学部准教授。専門はフランスにおける若年者雇用問題、職業教育など。

五十畑浩平著『スタージュ フランス版「インターンシップ」―社会への浸透とインパクトー』
 定価:本体5200円+税
 ISBN:978-4-8188-2552-9
 判型:A5判
 頁:270頁
 刊行:2020年02月

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