作家・陳舜臣さんが逝去されました
すでにニュース等でご存知のことと思いますが、大阪外語卒業生の作家・陳舜臣さん(大阪外国語学校・印度語部 昭和18年/1943年卒 IP20)が、昨1月21日15時08分に逝去されました。
陳舜臣さんは、大阪外国語学校卒業後、昭和17年(1942年)学内に設立された「西南亜細亜語研究所」の助手および大阪外国語学校の嘱託となられ、インド語辞書の編纂にも携わられましたが、その研究成果は昭和20年(1945年)3月の空襲によりすべて灰となりました。
また、1992年に刊行された「大阪外国語大学70年史」には、「敗戦により『中華民国国籍』となって国立大学の教官になれないため、神戸で貿易に従事しつつ、文筆にいそしむうちに、本当の作家になってしまった。あの『差別法』がなければ、作家陳舜臣は生まれなかったということになるが、さてどうであろう。」という記述もあります。(1990年に日本国籍を取得しておられます)
「実録アヘン戦争」「小説十八史略」など、アジアを舞台にした歴史小説を数多く発表された陳さんですが、戦争を背景に神戸生まれの台湾人青年の人生を描いた半自伝的小説「青雲の軸」も書いておられます。当時の外語や外語の学生たちの姿も登場します。中古品が入手可能ですので、ぜひご一読ください。謹んで陳舜臣さんのご冥福をお祈り申し上げます。