4月度月例会のご案内

4月度月例会の会場は学士会館でなく、久し振りの大阪大学東京オフィス
(虎ノ門)での開催です。また開始時間は先約があった為、いつもより
30分遅い13:30〜となりますので、ご注意下さい。
  
4月度月例会

日時:4月17日(水)13:30〜15:30

会場:大阪大学東京オフィス
    東京都千代田区霞が関1-4-1 日土地ビル10階

   東京メトロ「虎ノ門」駅A7出口から徒歩1分
        「霞が関」駅A12出口から徒歩3分

   https://www.osaka-u.ac.jp/ja/schools/facilities/tokyo

講師:千田 享(フランス語・1963年卒)
   元国連職員・WHO代表行政官

演題:シニア世代の社会的役割

・定員:対面講演    :30名
    オンライン講演:30名
    
・参加費用:1,000円
      対面講演:当日、受付払い
      オンライン講演:事前に銀行振込み。申し込まれた方には、
      受付表を送付しますので、それに従い事前にお振込み下さい。

・申込み:参加を希望される方は
     taru2742@yahoo.co.jpをクリックして
     件名:4月対面希望 or 4月オンライン希望
     本文:氏名、語科(学部)、卒年(西暦)
       *電話番号(オンラインの方のみ当日連絡できる番号)
        を記入して送信してください。

*貴方のパソコン画面の「返信」ボタンをクリックして返信しないで下さい。

要旨:
 シニア世代の社会的役割

日本の65歳以上の高齢者は、今や人口の30%に達しようとしています。
シニアと呼ばれる高齢者であっても、それは「日本の顔」であり、顔の重要な
部分を占めています。日本が元気でいるためには、シニアがしかりしていなけ
ればならない。それを自覚してシニアが自分自身を元気に維持し、弛みかけて
いる日本を活性化することが求められています。

そこで我々大阪外国語大学OBの生き方を見ると、自由な心意気と独立心を
もち、積極的に活動している人たちが多いことに気付きます。外部からもそう
いう目で見られることが多いようです。この外大OBの特色はどうして生まれ
ているかを考えると、

もともと海外雄飛の気持ちをもつ上に、外国語を学び、それを使って仕事を
する、それを通じて世界を知る、それに対比して日本を外から見る、というこ
とをやってきたことによると思われます。外国語を使うことが、我々の視界を
広げ、社会の見方、考え方を変えてきたためだと言えます。

「外国語を学ぶことはどういうことか」ということを、私たち自身、余り深く
考えることがなかったかと思いますが、現場を離れて今振り返ってみると、よ
く分かる気がします。
外国語を学ぶことは、単に言葉を学ぶだけでなく、会話を通じて相手国の人々
と交流し、その国の書物をその国の言葉で読んだりします。そうすることによ
って人々の習慣や考え方を知ることになり、必然的に日本との違いも感じる
ことになります。それが知らず知らずのうちに世界を広く見ることに繋がって
いると思います。

2007年に大阪大学と統合して17年経ちますが、大阪外大の特質は外国
語を学ぶことによって育成されるかなり本質的なもので、統合以後も大阪大学
の外国語学部で学んだ人々、学んでいる学生たちに継承されていることだと思
います。もちろん、この特質は他の大学でも、外国語を学び外国語を使って仕
事をしている人たちにも言えることでしょう。

大阪外大が大阪大学と統合したとき、「ああ、外大も阪大の一学部になってし
まったか、」という寂しさが外大OBにありました。しかし統合によって、逆に
言語研究の分野が拡大されたし、特に、総合大学の中で広く学際的に学ぶこと
ができることになり、別の意味で視野が一層広くなったと言えます。これは重
要な変化であり、将来卒業生がどんな仕事につくにしても必要とする、非常に
大事な基礎的素養を得ることになります。

私たちシニアも、一般に評価される「自由な発想と積極的な行動性」を発揮
することによって社会に貢献し、余生を活発に生きられることになります。
そしてシニアが活発で積極的であることによって、日本を元気にすることにな
ります。

世界での感染症の蔓延,森林火災、水害、地震など自然災害の頻発と各地で
起こっている戦争。それによって疲弊する世界と日本の現状の中で、歴史を知
り、経験を重ねたシニアは、少しでも状況を改善する提案をすることができる
のではないか。経験を積んだシニアでこそできることもあります。体力や体調
の老化によって行動に限界がきていることもあるでしょう。しかしできるだけ
でも、社会に対して必要な行動を採ることがシニアの役割ではないかと思いま
す。

最近出版した拙著、「シニアの退屈日記—日々を強くいきるために」はエッセ
ーの形で諸々の問題を書いていますが、その目的は日本を元気にすることであ
り、85歳を超えたシニアが何をできるかという試行でもあります。

講演では、この著書にあるシニア仲間の生活や活動をお話しするとともに、
シニアの「頭の整理法」などについても、皆さんと一緒に考えたいと思います。